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根岸龍宏

つくばよりも牛久に近い!?ベッドタウンとしての高見原

こんにちは。人文・文化学群3年の根岸龍宏です。


この記事では、つくばエクスプレスが開業するまでつくば市の中で最も駅に近く、高度経済成長期から東京近郊のベッドタウンとして宅地開発が進んだ高見原地区について、4名の方へのインタビューを基に紹介していきます。


今回インタビューさせていただいたのは以下の方々です。


  • Aさん:2021年10月に設立された「高見原ふれあい会」の代表を務められている方

  • Bさん:高見原の隣接地区に長年お住まいで、つくば市議会議員を務められている方

  • Cさん:高見原地区に代々お住まいで、土地・不動産関係に携わっている方

  • Dさん:数十年前に高見原地区に引っ越され、高見原で子育てなどを経験された方


高見原地区はどのように宅地開発されたのか?


高見原地区を含むつくば市茎崎地区は、1982年までは茎崎村、2002年までは茎崎町という独立した1つの自治体でした。


高見原地区では、1968年に地区を南北に走る茨城県道143号谷田部牛久線の沿道30mが市街化区域に指定されました。これを契機に、

  • 東京へ直通する常磐線の牛久駅から徒歩20分程度で、利便性が高いこと

  • 県や市よりも村の方が開発の許可が下りやすいこと

  • 常磐線の駅周辺に比べて地価が安く、未開発の土地が多いこと

などを理由として、小規模の地主や業者による宅地開発が単発的に進みました。


沿道に商業ビルやドラッグストアが立ち並ぶ茨城県道143号谷田部牛久線



そのため、以下の地図からもわかるように、「森の里」「城山」「宝陽台」などの大規模に造成・区画整理が行われた周辺の住宅地とは異なり、高見原地区(赤線内)は以前からの区画を残したまま宅地開発が行われることになったのです。

(出典:地理院地図)


このような広い範囲での宅地開発が行われるようになると、高度経済成長期以降急速に人口が増加し、茎崎村は全国1位の人口増加率を記録したこともあったそうです。



高見原地区と牛久市・牛久駅の関係性


前述の通り、高見原地区は牛久駅から徒歩20分程度と近く、駅前や駅周辺には商業施設なども多いことから、高見原地区と牛久市・牛久駅の結びつきは強く、インタビューの中でも「高見原の生活圏は牛久だ」という声が挙がりました。


その一方、高見原地区を含む茎崎町は牛久市とは合併することなく、2003年につくば市と合併するまで自治体として独立を続けてきました。


その理由としては、「地区ごとに合併への賛否が異なり、話がまとまらなかった」「市になると都市計画上の規制が厳しくなり、開発に影響が出る」などがあると考えられています。


このようなこと、高見原地区と牛久市・牛久駅は住民の生活面での結びつきが強いにも関わらず、行政機能の面では別の自治体として、それぞれで開発などが行われるという特殊な関係性が続いています。



高見原地区が目指す今後のあり方


インタビューの最後に、ご参加いただいた4名の方々に「高見原地区を今後どのような地区にしていきたいか」という質問を行いました。


4名の方からは、

  • 高見原地区と牛久駅を結ぶバスの本数が少なく、車を運転できない子どもや高齢者は不便なため、本数を増やすことで人口の増加につながるのではないか

  • 高見原地区周辺はつくば市と牛久市で自治体が分かれているため、行政で連携していくことが必要になるのではないか

  • 地区としては50年ほどしか歴史がないため、地域への愛着が生まれにくい。ふれあい会の活動を通じて地区の「横の交流」を促進していく必要がある

  • 住民同士の「適度な距離感」を好む人も多く、ライフスタイルの変化と高齢化・独居問題への対策をどのように両立するか考えなければならない

といった、さまざまな面からの問題提起や課題解決の提案をしていただきました。


高見原地区を走るつくバス・関鉄バスのバス停。牛久駅方面へのバスは1時間に1~2本。



高見原地区では、2021年10月にAさんを代表として「高見原ふれあい会」が設立され、地域のつながり・連携強化をテーマとしたまちづくりが進められつつあります。


今後はイベントの開催や情報発信も行われるとのことですので、高見原地区でどのようなまちづくりが進められていくのか、私も注目していきたいと思います!



インタビューに快く応じてくださった4名のみなさん、ありがとうございました!



ここまでお読みいただいたみなさんにとっても、この記事が、今後さらに変化していく高見原地区を知り、歩いてみるきっかけとなれば幸いです!

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