金村別雷神社をデザインから見てみよう!
こんにちは。筑波大学工学システム学類3年の石田絢斗です。短かった秋も過ぎ去り冬に差し掛かりましたがつい先日まで紅葉のシーズン真っ盛り、皆さんいろんなところに旅行したであろうと思いますが実は、僕の地元茨城県のつくば市上郷にある関東三雷神・茨城百景の一つに名を連ねる「金村別雷神社」にも素敵な紅葉がみられましたので行って参りました。
写真1 金村別雷神社 前方写真 (2019/11/24撮影)
上の写真を見ても非常にきれいですね。この写真を撮った場所の後ろには桜並木がずらっとあり、春にはきれいな花が咲くそうです。春日造と見受けられる社も非常に美しいです。
ところで、せっかく来たのだからただお参りするだけじゃもったいない。恥ずかしながら建築の勉強をしている身としてこの建物をデザインの分野から覗いてみると実は非常に見どころがある神社でありました。では早速紹介していきましょう!
(1)金村別雷神社に行ったら「つぐみ龍」を探してみよう!
皆さん”神紋”というのをご存じでしょうか?神紋とは神社で用いられる固有の紋のことであり現代的な言葉で言うとロゴマークのようなもので、その神社にゆかりのある動植物や当時の公家・武家の家紋などが用いられたりします。金村別雷神社の家紋は下の写真のような「つぐみ龍」なのですがこれが非常に可愛らしいんです。
写真2 つぐみ龍(2019/11/24撮影)
つぐみ龍紋の神旗は御冷泉帝から下賜されたものだそうで、タツノオトシゴのようなデザインがかわいらしい。
実は、このつぐみ龍が神社内に複数個所潜んでいます。ヒントとして僕からは建物に潜むつぐみ龍を一つだけではありますが掲載したいと思います。続きはぜひ拝観の際に探してみてください。
写真3 隠れつぐみ龍(2019/11/24撮影)
(2)拝殿の格天井には地元の名産がいっぱい描かれている!
拝殿の天井にはこの神社にしかない天井画があります。それがこちらです↓
写真4 拝殿内部の様子(2019/11/24撮影)
本当は畳に寝て天井画全面に写真を撮りたかったのですが、縁起でもないのでそれはせず(笑)。
ここの神社の天井は「格天井」と呼ばれ、木材を使った最も格式の高い天井様式とされています。この天井様式は二条城の丸御殿や日光東照宮外陣などにも使われています。組み入れ天井のように梁と天井が一体になっているのではなく梁からつるして天井にする方法で作られます。
格天井の中に多く書かれている絵は画伯として活動していた先々代の宮司によるもので、紀元2600年記念事業として昭和17年に完成されたものだそうで、絵には周辺地域の特産品やゆかりのあるものなどが書かれているのでぜひ注目してみて下さい。また拝殿内には先々代宮司の書いた作品がもうひとつあるのでそちらもぜひ!
写真5 先々代の画伯の作品(2019/11/24撮影)
(3)本殿にもデザインの工夫がいっぱい!
参拝の際には後ろにもぜひ回ってみてみて下さい。拝殿の後ろにある本殿には当時の人々のデザインへのこだわりが垣間見られます。
写真6~10 本殿(2019/11/24撮影)
壁画となっているのは一枚板から掘られた彫刻画であり、中国の漢詩の一説を表現しているといわれています。組物にも特徴があり、龍・獅子などの空想上の動物やゾウのように当時日本に存在しないため想像上で描かれたものなどがあしらわれています。彫刻模様から見ても中国大陸から影響を受けたデザインが見受けられます。
最後に
僕がこの場所を訪れたのがお昼過ぎだったのですが、兄弟でこの神社を営んでいるそうでこの神社のこと、社会人として生きていくためのお話などを巡回しながらたっぷりご教授いただきましてありがとうございました!
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