吉沼お寺巡り(後編)
こんにちは。芸術専門学群2年の澤口亮太です。この記事は2つに分かれているもののうち後編となっておりますので前編をまだ読んでいない方は全編を読んでいただけると幸いです。
それでは吉沼のお寺5か所の内残り3か所の紹介をしていきたいと思います。
3か所目は金蔵院から見て南にある「覚心寺」です。
先ほどの2院とは違い宗派は時宗。開祖は鎌倉時代を生きた一遍です。
前半で取り上げた正福寺と金蔵院には梁に彫刻が見られましたがこちらは彫刻のないとても質素な造りとなっています。また、こちらは斗栱もなしで建てられているようでした。
前半でもちらっと出てきた斗栱についてよく知らない方もいると思うので少し解説させていただきます。
斗栱(ときょう)とは柱の上端部に取り付けられている、木材を組み合わせた、主に柱と梁を強固につなぐ役割を果たしている造りのことです。大きな神社やお寺を作る際には必須と言っていいほどの構造で、これがあることで屋根の重みがしっかりと柱に伝えられ非常に安定した構造になります。ほとんどの寺社で見ることができるので注目してみてください。勿論前半記事の写真でも確認できます。
このお寺は門を抜けた先に、住宅の中に入り込むようにして建っています。住職の方の家だと思うのですが、家の周りに沢山のお花が植えてありとても綺麗で居心地のいい空間になっていました。建物が密集しているのも秘密基地みたいで少しわくわくしました。
4つ目のお寺は「速成寺」。境内には保育園があり園児達が元気に遊んでいました。
宗派は門横の石柱に書いてある通り真宗大谷派。
前述の通り保育園と一つになっているため中に入ることはかないませんでしたが外からでも立派な屋根を見ることができます。
最後になる5つ目のお寺は「吉沼山大祥寺」。街の西端に位置するお寺です。
宗派は道元が広めた曽洞宗。
建立したころは祥庵寺という名前だったそう。明治時代には火災にあい、再建されたものが今の本堂だそうです。
このお寺はとても立派な屋根が特徴です。今まで紹介した他のお寺と比べてとても大きな屋根なのですが、さらには軒先と母屋が分かれているのも大きな特徴になっています。
そんな軒先には面白いものを見ることができます。写真中央部に見える大きく曲がった部材なのですが、こちら名前を海老虹梁と言います。
名前にある通り柱と柱をつなぐ梁なのですが、軒の先と後ろに高低差があるためこのような、エビのように大きく曲がった姿になっているんです。普通は装飾を施すことが多いので、ここまでシンプルなものは少し珍しかったりします。
シンプルなものも綺麗ですし構造が分かりやすいので是非注目して見てみてください。
さて、吉沼にある5か所のお寺の紹介はこれで以上となります。いかがでしたでしょうか、どこか行ってみたいと思うところはありましたでしょうか。
今回書ききれなかった魅力、特に建築的に大変魅力的なお寺が数多くありますので興味を持たれた方は是非足を運んでみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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